地域協力隊の活動知って 映画「ひとしずく」 名護、本部で上映
【名護】地域おこし協力隊を題材にした映画「ひとしずく」の上映会がこのほど、名護中央公民館ともとぶ文化交流センターで開催された。上映会はこれまで15都県で開催し、県内では初開催。上映会後に山下大裕監督と県地域づくり応援員(地域おこし協力隊)の山下諒馬さんによる対談もあった。
東京で1人暮らしをする主人公・坂本香澄が田舎暮らしへのあこがれや人生のリスタートを切るため、鹿児島県南大隅町の地域おこし協力隊に着任し、町の人々と手を取り合いながらさまざまな壁を乗り越え、成長する物語。リアルさを追求するため、山下監督自らが47都道府県を巡って協力隊や行政職員らに取材を重ね、県内でも2019年に北中城村とうるま市の協力隊の活動を取材した。
総務省によると、22年度の協力隊の隊員数は6447人。26年度までに1万人に増やす目標を掲げている。一方、山下監督によると、わずかな認識のずれが地域や行政とのトラブルにつながっている事例もあるという。「映画を通じて互いの立場に思いやりを持ち、歩み寄ることを願った」と振り返る。協力隊のメンバー数が県内最多という本部町に加え、協力隊員のいない名護市で上映した理由について「協力隊を知らずにトラブルになる前に、活動を地域に広く知ってもらうことが大事だと思った」と話した。
山下監督は手弁当で上映会を開いている。「微力だが協力隊が正しく大きな存在となるよう貢献したい」と話し、さらなる関心の広がりを願った。上映に関する問い合わせは電話070(4321)8815(上映会実行委員会)。
(武井悠)
琉球新報 2025-01-14 [
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