16日から国の補助金縮小 ガソリン灯油は5円ほど値上げ 農家「助成の継続を!花の単価上げて」【長崎】
16日から、ガソリンなどに対する燃油高対策の国の補助金が縮小されます。
農業用ハウスの暖房に重油などを使っている農家は、燃油高騰が経営を圧迫していて、栽培が続けられないと訴えています。
長崎市内のこちらの農業用ハウスは旬を迎えたイチゴが実っていて、甘い香りに包まれています。
KTN記者リポート
「甘い!味が濃くて酸味もあって、やっぱりこの時期のイチゴは最高ですね」
収穫はピークを迎えていますが、農家はある問題に直面しています。
JA長崎せいひ 日吉いちご部会 山川 哲治さん
「一番は燃料の高騰普段、燃料を多く使ってハウス内の環境を整えているが、なかなかそこが、経費がかさむ部分につながっている」
イチゴの栽培には農業用ハウスで暖房を使った徹底した温度管理が必要ですが、重油や灯油などの燃料価格は上がり続けています。
JA長崎せいひ 日吉いちご部会 山川 哲治さん
「これが重油を使った加温機で。イチゴは大体3℃以下になると、花が死んだり、株の成長が止まると言われているので、4~5℃くらいの設定で夜はそれ以下にならないように設定している」
燃料代は数年前から大きく変化しています。
JA長崎せいひ 日吉いちご部会 山川 哲治さん
「ざっくりで(年間)30~40万円だったのが倍近く、70~80万円くらい使っている。(燃料の)価格が上振れてしまうとどうしても燃料を使うのを制限したりとか、それで株の生育が若干弱くなる懸念もあるので、バランスをとるのはすごく難しい」
16日から国の補助金が縮小されるため、ガソリンや灯油などは5円ほど上がるとみられています。
イチゴ農家以上に深刻なのが、キク農家です。
若杉花農園 若杉 信一さん
「下手すると、キク1本の値段よりも重油(1L)が高い状況になってきていて、かなりきつい状況」
キクは農業用ハウスの気温をほかの花や農作物より高い16℃以上にしなければならないため、燃料費の高騰は経営を大きく圧迫しています。
若杉花農園 若杉 信一さん
「(重油は)何千Lとか、ひとシーズンにかかってしまう。暖房がないと花が咲かないので必需品」
価格が市場で決まるため、生産者が自由に設定できない事情もあります。
若杉花農園 若杉 信一さん
「キクの単価は昔と比べて上がっていないので、利益が減ってしまってこのままだと冬のキクの栽培ができなくなるのかなと。実際、キク農家も全国的に減ってきている。今現在、助成や補助はあるが、それを継続してもらいたいし、それでも限界はあるので、キクの単価を上げてもらえたら」
補助金が縮小される一方、高止まりが続いていることに不安を覚える人は多いようで、生産者はさらなる対策を求めています。
KTNテレビ長崎 2025-01-14 [
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