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カメラ室で監視継続は「プライバシー権の侵害で違法」 国に賠償命令

 大阪拘置所(大阪市都島区)に収容されていた男性被告が、自殺の危険があるとして約9カ月にわたって監視カメラ付きの部屋に収容されて精神的苦痛を負ったとして、国に100万円の賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(徳地淳裁判長)は16日、国に40万円の賠償を命じた。自殺の危険性は「抽象的なものにとどまる」と判断した。
 判決によると、男性は強制性交などの罪に問われて滋賀拘置支所に収容されていた2022年12月、着衣を自分の首に巻いて自殺を図ったことからカメラ室に入れられた。有罪判決を受けて控訴し、翌年3月に大阪拘置所に移送されてからもカメラ室の収容は続いた。
 判決は、天井のカメラで24時間監視するカメラ室は死角がなく「プライバシー権を高度に制限するもの」で、「あくまで例外的な措置と位置づけるべきだ」とした上で、違法性を検討した。
 移送時の収容判断は妥当だったとしつつ、男性は同年7月の職員面接では「冤罪(えんざい)を晴らすまでは死ねません。今は一切死ぬ気はありません」と明確に話していて、担当職員も「落ち着いている」と報告していると指摘。遅くともこの時点では自殺の可能性は「抽象的なものにとどまっていた」とし、12月まで収容を続けたのは「裁量権を逸脱して違法」と結論づけた。

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大阪:朝日新聞デジタル 2025-01-16 [Edit / 編集]

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