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どうすればよかったか? 病の姉と家族 20年の記録

まちのほとり座 医学部に通う優秀な姉が、統合失調症を発症した。医師である両親は姉を医療から遠ざけ、弟の説得は届かない。弟は何かを残そうとカメラを手に家族の撮影を始めるが、状況は悪化の一途を辿(たど)り、両親は玄関に鎖をつけ姉を閉じ込めた。
 真っ黒なスクリーンに叫び声が響き映画は始まる。第三者ではなく当事者によって記録された赤裸々な映像は、これまで観(み)たことのないほどに感情的だ。閉鎖された〝家〟の空気は外とは違う。体に力が入り硬くなる。出口の見えない暗闇が最後まで続くのか?
 しかし寸前で映画は急転する。本作は原因究明を目的とした映画ではなく、あくまでも20年にわたる藤野知明監督と家族の記録である。どうすればよかったか? 両親を、姉を。答えを必要としない問いがじっとこちらを見つめている。(ほとり座・編成担当 辻)
 ◆24日まで、日本、101分
◇ほとり座(https://hotori.jp

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富山:朝日新聞デジタル 2025-01-18 [Edit / 編集]

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