海藻食い荒らすウニ、エサで太らせ商品に 朝日町で蓄養場の建設計画
海藻を食い荒らすウニを捕らえ、エサで太らせて販売する蓄養場の建設が、富山県朝日町で計画されている。海底が砂漠化する「磯焼け」を防ぐと同時に、新たな産品をつくる一挙両得の試みとして、町が誘致した。
蓄養場を計画しているのは大分、山口などで同様の事業を手がける企業、ウニノミクス(本社・東京)。漁業者が駆除した身入りの悪いウニを買い上げ、専用の配合飼料で蓄養した後、すし店やレストランに販売している。
町商工観光課によると、県内生まれの石田晋太郎・同社代表が町を度々訪れ、ウニ駆除のイベントに参加するなどした縁で事業の提案を受けたという。
町は、海沿いに約1万1千平方メートルの敷地を用意。ウニノミクス側は新法人を設立し、4月以降に蓄養場1棟や事務所を建設する。蓄養場は状況に応じて計3棟まで増やす計画だ。
駆除されたウニは、町内のほか、新潟から福井にかけての北陸沿岸の漁業者から仕入れる。3棟が稼働した場合、総投資額は35億円。ウニの生産量は年間360トンで、20億円以上の売り上げを見込む。
ウニは魚のすみかになる藻場を荒らすうえ、繁殖力が強く、町沿岸では駆除してもなかなか減らないのが現状という。大谷和哉・商工観光課長は「環境問題である磯焼けの解消や、町の活性化、雇用につながり大きなメリットがある」と話す。
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富山:朝日新聞デジタル 2025-01-18 [
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