発酵の里・神崎で藍染めTシャツづくり マラソン参加賞として準備
「発酵の里」を掲げる千葉県神崎町で、発酵の工程がある「藍染め」のTシャツづくりが行われている。5月にある「第4回神崎発酵マラソン大会」で、参加賞として贈られるもの。中学生や町民有志が、計2350枚を準備する。
神崎中学校(神崎本宿)で6日にあった2年生の授業「総合的な学習の時間」。町発酵の里推進室の沢田聡美さんが藍染めの仕組みと歴史を解説。Tシャツ作りが進んだ。
シャツは酸化で緑色から濃い藍色に。生徒たちは役割分担し、町職員の指導を受けながら、次々と染め上げた。2年の奥田琉楓さんは「藍染めは初めてだが楽しい。地域の色々な人と関われるのが神崎のいいところ」と笑顔で話した。同校では1、2年生の計約70人が計1千枚を担当した。
町内では今後、町民や職員ら有志がTシャツを染め続ける。2022年に始まった発酵マラソンの初回から贈っており、この時期の恒例になった。「コロナ禍でやむなく食品の参加賞を見合わせた結果だが、ランナーにも好評で、定着していった」と沢田さんは振り返る。
今年の発酵マラソンは5月18日。1.5キロ、2キロ、10キロ、ハーフの4種目あり、町のホームページ(
https://kozaki-marathon.jp/)で参加を受け付けている。大会会場の神崎ふれあいプラザ(同町神崎本宿)に発酵食品などが出店する。
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神崎町では、藍染めのTシャツづくりのように、町民が発酵文化に触れる機会が増えている。
「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、注目される発酵。県内最少の人口約5600人の神崎町には、300年以上の歴史を持つ「鍋店(なべだな)」と「寺田本家」の酒蔵2軒のほか、みそ製造3軒、しょうゆ製造が1軒あり、発酵文化が根づく。3月23日には「酒蔵まつり」も開かれ、多くの観光客が訪れる。
町は郷土学習「神崎学」に力を入れ始め、小中学校の児童や生徒は、様々な授業で発酵文化について学ぶようになった。
藍染め授業を視察した小川泰求教育長は「神崎は小さな町だが、歴史があり、魅力あふれる。ふるさとに愛着と誇りを持つきっかけになって欲しい」と話した。
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千葉:朝日新聞デジタル 2025-02-12 [
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