> 徳島県

徳島市の新年度予算案は過去最大1244億円 防災対策に重点

 徳島市は17日、総額1244億円の新年度一般会計当初予算案を発表した。前年度当初予算は4月の市長選を控えて「骨格予算」だったが、9月補正で肉付けした後の予算と比べても9.3%増え、過去最大となった。災害対応拠点となる危機管理センターの整備費など防災対策に重点を置いた。3月4日開会の定例議会に提案する。
 歳入のうち、市税は緩やかな景気回復などに伴い、前年度9月補正後比4.5%増の432億4617万円。国庫支出金は同7.7%増の257億7270万円、地方交付税は同1.0%減の122億5900万円を見込む。
 市債は同47.4%増の153億5780万円を発行。貯金にあたる財政調整基金などから35億1083万円を繰り入れる。
 歳入全体のうち、市税など自主財源の割合は41.2%で、残り58.8%を国庫支出金や市債、地方交付税などの依存財源でまかなった。
 歳出は、市役所北側に2025年度末に開設予定の危機管理センターの防災棟や駐車場棟の整備費に50億2443万円を計上。119番通報に迅速に対応し、救急活動や消火活動を支援する高機能消防指令センターの全面更新事業に12億6980万円を充てた。これらの投資的経費は、同34.5%増の171億298万円となった。
 民間保育所の運営費や障害福祉サービスの給付費などの増加で、扶助費が同11.1%増の389億2740万円と過去最大に達した。職員の給与など人件費は同2.5%増の225億4363万円、市債の返済に充てる公債費は同0.5%増の87億8592万円に上った。歳出全体のうち、扶助費、人件費、公債費を足した義務的経費が56.5%を占めた。
 借金にあたる市債残高は、23年度末には998億円と1千億円を割り込んでいたが、翌年度から増加に転じ、25年度末には1088億円まで膨らむ見込み。収入に対して、借金返済額がどれくらいあるかを示す実質公債費比率は18年度の6.5%から23年度は5.7%まで下がっていたが、市は今後の比率などの動向を注視して財政運営に努めるという。
 財政調整基金と減債基金の残高は、24年度末の88億円から25年度末には60億円に減る見通し。
 記者会見した遠藤彰良市長は「財政的に厳しいが、やらなければいけないこともある」と説明。「南海トラフ地震臨時情報の発表など災害に対する市民の不安が高まっており、市ができることは少しでも早くやっておこうと防災に力を入れて予算編成した」と述べた。
主な新規・拡充事業
 ◆災害時情報通信ネットワーク構築事業(1億6794万円) 災害時の救助・捜索を担う自動航行機能を備えたドローンを導入し、避難所などを結ぶ独自の情報通信ネットワークも構築
 ◆屋内運動場空調設備整備モデル事業(1億230万円) 熱中症対策として市立中学校2校の屋内運動場に大風量スポットエアコンを設置し、効果を検証
 ◆指定避難所簡易ベッド整備事業(2727万円) 指定避難所に簡易ベッド2119床を配備
 ◆眉山公園整備事業(2850万円) 公園の再整備に向けた測量や、民間活力導入に向けた実証実験を行う
 ◆インバウンド誘客事業(662万円) 県と連携して海外向けに観光PRを実施。観光施設などに多言語対応の自動再生音声ガイドを整備
 ◆市バスキャッシュレス推進事業(1億6213万円) 市バス路線に交通系ICカードを導入
 ◆学校教職員働き方改革推進事業(1253万円) 市教育委員会に学校問題解決支援コーディネーターを配置。保護者と学校、教委を結ぶ連絡システムを導入し、ペーパーレス化で教員負担を軽減

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。




今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

徳島:朝日新聞デジタル 2025-02-18 [Edit / 編集]

削除Pass(任意、英数字4~12文字) [Confirm/確認]
No. 削除PassかIPアドレスのどちらかが合致すれば削除出来ます
削除Pass(任意)