箱まわし受け継ぎ30年、3月23日に記念公演 韓国や東京の劇団も
伝統の阿波木偶(でこ)「三番叟(さんばそう)まわし」の門付け芸や人形芝居を演じてきた阿波木偶箱まわし保存会が3月23日、創立30周年記念公演「箱まわしのまなざし」を開く。
箱まわしは人形を箱に入れて持ち運ぶことから、その名がついた。明治時代には200人以上も箱まわし芸人がいたが、被差別部落で引き継がれてきたため、厳しい差別もあり、次第に途絶えていった。
部落出身の辻本一英さん(73)が「文化を取り戻そう」と1995年、「復活する会」を結成。箱まわしの調査を開始した。2012年には保存会に名称を変えた。
22年には箱まわしを演じられるステージも供えた「人形のムラ」阿波木偶箱まわし伝承館・阿波木偶文化資料館を徳島市国府町に開館。継承と発信に努めている。
人形のムラの南公代代表(59)は「年1千軒で門付けをするが、それも迎えてくれる人々がいるから。皆さんに少しでもお返しをしたい」と話す。子どもたちの出演も検討しており、「次世代に引き継いでいきたい」と語る。
公演では保存会が三番叟まわしや、もちつき唄を披露するほか、30年の歩みを振り返るスライド上映や詩の朗読もある。
また、韓国から「アラリ人形の家」、東京から「八王子車人形西川古柳座」が参加して、それぞれ人形芝居を披露する。八王子車人形は八王子に伝わる郷土芸能で国指定の重要無形民俗文化財。
あすなろバレエスタジオ(徳島市)は三番叟をバレエにした「SANBASO」を演じる。
徳島市元町のシビックセンターさくらホールで午後2時から。定員先着150人。予約不要。無料。問い合わせは保存会(088・661・7623、ebisu@me.pikara.ne.jp)。
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徳島:朝日新聞デジタル 2025-02-28 [
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