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戦争の記憶、風化させない 青森空襲を記録する会が様々な「集い」

 終戦から80年。戦争を体験した人たちが年々少なくなっている一方で、世界中で戦火は絶えない。今こそ「戦争の愚かさと平和の大切さをしっかりと未来に語り継いでいく時」として、「青森空襲を記録する会」では、空襲があった7月28日に向け、さまざまな集いを予定している。
 青森空襲は太平洋戦争末期の1945年7月28日夜、米軍が行ったもので、市街地の9割が焼失したほか1千人以上が犠牲になったとされる。
 19日には「青森空襲の跡をたどる集い」がある。市中心部に残る空襲の跡を徒歩で巡る。
 25~28日は青森市中央市民センターで写真資料などの空襲展がある。26日には同所で「空襲の体験を語る集い」も予定。
 空襲があった28日には、市役所にある「空襲・戦災都市青森の碑」前で「戦災犠牲者追悼・平和祈念の集い」がある。
 同会はこのほかにも、空襲を体験した人の記録集「次代への証言」の第33集を発行する。継続発行しているもので、今年は空襲犠牲者の574人分の名簿も加わる。
 今村修会長によると、20年ほど前の証言集には空襲犠牲者の名簿550人分を添付した。今回は、この20年間で新たに判明した約20人を追加する。
 「20年の時間をかけても、20人しかわからない。空襲の恐ろしさは、実際に何人が犠牲になったのか、それすらがはっきりしないということだ」と今村さんは憤る。
 若い世代につなぐために今年は、体験者の証言を絵本に仕立てて、市内の小学校に配布する。
 青森空襲の2週間前の14日には青函連絡船が攻撃されており、市民らは市外への疎開を試みたが、当時の県知事や青森市が、疎開者への食糧の配給停止策を打ち出したことから市民らは疎開を断念。その結果、人的被害が拡大したとされる。
 米軍は前日に、「近日中の空爆」を予告するビラを空から市内に6万枚まいたが、憲兵や警察が読むことを禁止したため、市民へはあまり伝わらなかった、という。
 「集い」などへの問い合わせは同会(017・777・6200)へ。
 このほか27日には青森市中央市民センターで、地元劇団らによる空襲犠牲者追悼パフォーマンス「7月28日を知っていますか?」もある。入場は無料。問い合わせは劇団よるごえの鎌田さん(090・3640・5961)まで。

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青森:朝日新聞デジタル 2025-07-18 [Edit / 編集]

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