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ディスク使った「頭脳戦」スポーツ 大和市をアルティメットの聖地に

 「大和市をアルティメットの聖地に」を合言葉に、フライングディスクを使ったスポーツ・アルティメットに取り組んでいるクラブが神奈川県大和市にある。子どもから大人まで気軽に楽しめる一方、攻守がめまぐるしく入れ替わり、「頭脳戦」の側面もある「究極」のスポーツ。「世界の頂点」を目指す選手も所属する地元クラブを訪ねた。
 「パスをもらえるように動いて、動いて」「いいよ、ナイスキャッチ」。8月中旬、日が沈みかけた午後6時過ぎの大和市の公園のグラウンド。小学生たちがフライングディスクを投げ合いながら、楽しそうに走り回っていた。
 「やまとスポーツマネジメント」は、2016年ごろから、アルティメットの普及や日本代表選手の輩出を目指して活動するNPO法人だ。元日本代表監督の吉川洋平氏が、理事長を務める。
 小学生から高校生まで約40人が所属。ディスクの扱いに慣れて楽しむことを主眼にした小学生向けのスクールや、将来の日本代表入りを目指す中高生向けのチームも編成し、日本代表経験者のコーチの指導を受けながら、年齢層に応じてスキルアップを目指している。
 同法人の横田篤・事務局長も未経験だったが、すっかりアルティメットの魅力に「ハマった」1人だ。「『ドリブルがないバスケット』と『体の接触がないアメリカンフットボール』を掛け合わせたようなスポーツ。相手の陣容を見て、スペースを見つけて走り込んだり投げ込んだり。頭脳戦の一面もある」と話す。
 「大和市に総合型地域スポーツクラブを作りたい」と考えていたという横田さん。面識がなかったが、吉川さんが大和市在住であることを知り、「日本の第一人者がこんな近くにいるなら、なんとしてもアルティメットのクラブを」と思い立ち、法人の設立に向け動いた。同法人では、アルティメットのほかにも、チアダンス、ヒップホップダンスなどのスクールも運営している。
 日本フライングディスク協会によると、アルティメットは1960年代後半、米国が発祥。7人制のチームスポーツで、フライングディスクを落とさずにパスをして運び、コート両端のエンドゾーン内でディスクをキャッチすれば得点となる。独特なディスクの飛び方を操る技術や、走力、持久力を必要とすることから「究極(Ultimate)」の名前が付けられたとされる。
 ディスクの特性を利用した「華麗なパスワーク」、ディスクを飛びつきながらつかむ「ダイビングキャッチ」、コートの端まで届く「ロングスロー」などのダイナミックなプレーが魅力だ。
 国内の競技人口は約5千人、うち8割程度が大学生とされる。世界では、五輪の正式種目化を見据えた動きも活発になっているという。
 横田さんは「見てもプレーしても楽しいスポーツ。多くの人に知ってもらい、クラブに参加していただけたら」と話している。
日本代表も所属「マークを交わしてパス 一番面白い」 同クラブの吉田郁穂さん(17)は、6月にスペインで開かれた世界U24アルティメット選手権大会(23歳以下)で、ウィメン部門の日本代表に選ばれた。この大会で、日本は決勝戦で米国に敗れ、準優勝だった。
 吉田さんが、アルティメットを知ったのは、小学6年生の6月。幼稚園から続けていた空手など習い事をすべて辞めた時期だった。仲の良かった同級生がアルティメットをやっており、「習い事を何もやっていないなら、(アルティメットの)体験に来てみたら」と誘われたのがきっかけだった。
 一度、練習を体験してみると…
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神奈川:朝日新聞デジタル 2025-09-05 [Edit / 編集]

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