<衆院選とちぎ>立民攻勢 2議席獲得
27日に投開票された衆院選の小選挙区で、栃木は立民が2区と4区、自民が3区と5区で議席獲得を決めた。政治とカネの問題で政治不信が広がる中、逆風に苦しむ自民に、立民などが各地で攻勢を強めた。
◆栃木 「逆風」自民茂木さん11選
支持者と当選の喜びを分かち合う茂木敏充さん=足利市の事務所で
県内の小選挙区は立民が2区と4区で議席を獲得した。自民は3区と5区で議席を守った一方、4区で失った。当日有権者数は159万6375人。
前回に続いて「自・立一騎打ち」となった2区は、立民前職福田昭夫さん(76)が7選で議席を守った。自民前職の五十嵐清さん(54)は党の政治資金問題で「クリーン」をアピールしたものの、及ばなかった。
3区は自民前職簗和生さん(45)が三つどもえの激戦を制し、5回目の当選。政治資金収支報告書への金額不記載を理由に、党から比例重複立候補を認められない「背水の陣」だったが、自民党籍を持つ無所属渡辺真太朗さん(31)、立民伊賀央さん(60)の両新人に競り勝った。
4区は立民前職藤岡隆雄さん(47)が2回目の当選。党支持層のほか、浮動票獲得で優位に立ち、前回小選挙区を制した自民前職佐藤勉さん(72)を退けた。共産新人川上均さん(68)は引き離された。
5区は自民前職茂木敏充さん(69)が圧勝して11選。共産岡村恵子さん(71)、維新谷古宇勘司さん(73)、無所属亀山陽三さん(63)の3新人を退けた。
1区は14選が懸かる自民前職船田元さん(70)と、立民新人板津由華さん(36)、維新元職柏倉祐司さん(55)、共産新人青木弘さん(63)の4人が争う構図で、開票が続いている。(武藤康弘)
◆戦後初の「県出身首相」に意欲
栃木5区の自民前職、茂木敏充さんが圧倒的な強さで11期連続の当選を果たした。足利市南町の事務所に多数の支持者が詰めかけ、午後8時すぎに「当確」の報が伝わると、歓声が湧き起こった。
「大変な逆風。この勝利を次へのステップにつなげたい」
茂木さんは顔を紅潮させて喜びを語った。経済産業相、外相、党幹事長など重要ポストを歴任したが総裁選に敗れ、無役での選挙戦。「やっていないポストは一つだけ」と戦後初の栃木県出身首相に改めて意欲を示していた。
選挙期間中は北海道から沖縄県まで全国を回り、若手や新人を応援。本人がほぼ不在の地元を後援会組織がフル回転で守り、維新新人の谷古宇勘司さん、共産新人の岡村恵子さん、無所属新人の亀山陽三さんを引き離した。(梅村武史)
栃木:東京新聞 TOKYO Web 2024-10-28 [
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