<衆院選とちぎ>3区・簗さん、冷や冷や 178票差で5選 「裏金」1746万円、比例重複なし
5選を祝う花束をもらった後も、控えめに喜ぶ簗和生さん(右)=大田原市の事務所で
栃木3区(大田原、矢板、那須塩原、那須烏山市、那須、那珂川町)は自民前職簗和生さん(45)が、無所属の新人、渡辺真太朗さん(31)らの挑戦を退け、5回目の当選を果たした。自民党籍を持つ渡辺さんとは178票差、得票率では0.2ポイントの超僅差だった。(武藤康弘)
27日午後10時40分ごろ、大田原市にある事務所の控室で「当確」を聞いてようやく、支援者ら約200人の前に現れた簗さんは「皆さまに冷や冷やさせる思いをさせて申し訳ない」と何度もこうべを垂れた。
自民党本部が公認の是非の判断材料の一つとした政治資金収支報告書への不記載額(1746万円)は、公認を受けた議員の中では2番目の高額。全国的に「政治とカネ」を問われた選挙戦は、街頭演説の告知を最小限に控え、旧来の支持層の集会への積極参加で票離れを食い止める戦略だった。栃木1区で14選した自民前職の船田元さん(70)陣営が励んだような、選挙戦で交流サイト(SNS)を使う動きは皆無。支援を公言する渡辺美知太郎那須塩原市長のX(旧ツイッター)投稿くらいしか、簗さんの選挙活動を知るすべはなかった。
党が比例重複立候補を認めない「背水の陣」だったが、「特段意識していなかった。小選挙区で信任をいただく思いでやった」と報道陣の問いに答えた簗さん。汚名をすすぐ議員活動を5期目に果たせるのか、注視するのは小選挙区内の市民・町民だけではない。
選挙活動中、渡辺美知太郎那須塩原市長が投稿したXの画面。簗さんへの支持を呼びかけた
栃木:東京新聞 TOKYO Web 2024-10-29 [
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