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蔵の街彩る江戸風情 「とちぎ秋まつり」11月1日から開催 即興「ぶっつけ」復活

江戸型人形山車の前で意気込みを語る長島篤実行委員長=栃木市で




 かつて舟運、宿場町として栄えた蔵の街・栃木市を彩る2年に1度の大祭「とちぎ秋まつり」が11月1~3日、蔵の街大通り周辺で開かれる。2020年は新型コロナ禍の影響で中止、22年も密集を配慮した縮小開催だったが、今回は祭りの華「ぶっつけ」の即興対決を復活させ、例幣使街道巡行を加えるなど魅力いっぱい。主催の実行委員会は25万人の人出を見込んでいる。(梅村武史)



 「地域で代々、大切に受け継がれてきた伝統をしっかり守り、若い世代に引き継いでいく」と長島篤(あつし)実行委員長(77)は意気込む。



 絢爛(けんらん)豪華な江戸型人形山車が巡行する秋まつり。見どころは、複数の山車が向き合ってお囃子(はやし)を競演し、調子がずれた山車が道を譲る「ぶっつけ」。前回はコロナ禍の配慮から計画的に実施されたが、頭(リーダー)同士のあうんの呼吸で行う従来の形に戻す。



 新たな試みとして、大通りから離れた嘉右衛門町伝建地区内での本格的な山車巡行を実施する。地区内の例幣使街道約1キロを3台の山車が南北に巡行する予定だ(2、3日各午後1時40分から)。



 地元の子どもや高校、大学生約2650人が山車の曳手(ひきて)や獅子頭の担ぎ手、情報発信、グッズ提案などに協力している。長島実行委員長は「祭りの担い手不足は深刻でいまが正念場。若い世代に輪を広げる工夫を重ねた」と話した。1日は「子ども山車まつり」(午前9時半~午後3時半)、「本まつり」は2日午前9時~午後8時、3日午前9時~午後7時。雨天開催。問い合わせは実行委員会事務局の市観光振興課=電0282(21)2374=へ。



<とちぎ秋まつり> 1930年代からおおむね5年間隔、2006年以降は2年間隔で開かれてきた。1874年、当時、県庁所在地だった栃木町(現・栃木市)の神武祭典のため、東京・日本橋の町内から「山王祭」の山車を購入したのが始まり。各町内が所有する9台の山車が、刺しゅうを施した豪華な幕で飾られ、上に「静御前」「神武天皇」「劉備玄徳」などの江戸型人形が乗る。

栃木:東京新聞 TOKYO Web 2024-10-30 [Edit / 編集]

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