被災孤立地に物資輸送 ドローン飛行ルート構築 足利市内5カ所
病棟屋上に物資を運び、飛び立つドローン=足利市で
栃木県足利市は30日、大規模災害時に孤立する恐れがある中山間地域にドローンで物資を運ぶため、3ルートで検証フライトを実施した。昨年度の検証分と合わせて計五つの飛行ルートを構築した。市担当者は「一度ルートを構築しておけば非常時に迅速で安定的な稼働が可能。被災者支援の一手段として有効で、今後も増やしていく」と話す。
大坊山など標高200メートル超の山に囲まれたあしかがの森足利病院(大沼田町)の病棟屋上。関係者が見守る中、風切り音とともにドローンが飛来し、約1・6キロの段ボールを降ろして再び飛び立っていった。
重度障害者約170人が入所する同病院は、2019年の台風19号で孤立した。今回の検証フライトで、平地にある大月小学校間3・2キロ、富田中学校間3・9キロの2ルートを構築した。田村義弘総務部長(61)は「いざという時の安心感がある」と話した。
同事業は、今年の能登半島地震、豪雨でも実績がある「ネクストデリバリー」(山梨県小菅村)に委託して実施。この日は三和公民館と小俣町猪子トンネル西間4・8キロのルートも構築した。(梅村武史)
栃木:東京新聞 TOKYO Web 2024-10-31 [
Edit / 編集]