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絵の具重ね郷土色豊かに 障害のある画家・川島さん 足利で14日まで水彩画個展

会場で作品制作を公開する川島直人さん=足利市で




 軽度の知的障害と発達障害がある栃木県足利市の画家、川島直人(なおと)さん(31)の水彩画作品展が足利市民活動センター(相生町)で開かれている。徹底して色にこだわり、納得いくまで絵の具を重ね続ける画法で郷土を愛情深く描き、鑑賞者を魅了し続ける。14日まで。(梅村武史)



 川島さんは特別支援学級に在籍していた中学2年の時、美術教師の勧めで水彩画を習い始めた。市内の印刷会社「万蔵」に勤務しながら、まちを散策してテーマを探し、撮影した写真を元に描く。画家活動は勤務後の1日約1時間。一つの作品に約3~4カ月を費やすという。年に一度の同施設での個展は15回目になる。



 公開24作品のうち、新作は4点。9月に完成したばかりの「いつかの夕景」は水辺に鳥が舞い降り、夕日が広がる近隣の群馬県館林市の風景を描いた。空の色のグラデーションが見事で川島さんは「買い物が終わって外に出ると不思議な空。とてもきれいな色でした」と一文を添えた。










9月に完成した新作「いつかの夕景」




 歩行者用踏切を描いた「秋から冬へ」は3度、現地を訪れて描いたこだわりの作品。暖色の花々がぎっしり詰まった「笑顔の花手水」は繊細な色づかいが美しい。地元の伊勢神社の茅(ち)の輪くぐりを描いた「夏の日の小さな約束」は懐かしさ、郷土愛が伝わる。



 「これからも好きな色を作って絵を描いていきたい」とメッセージを会場に展示した川島さん。その活動を支え、会場で作品解説を行う母、知子さん(65)は「ほんの小さな部分を塗る色にも長時間、パレットと格闘する姿を見てきた。こだわりは年々強くなっています」と話す。



 入場無料。午前10時~午後7時(最終日は午後3時まで)。11日は川島さん本人が公開制作を行う。



 問い合わせは同センター=電0284(44)7311=へ。

栃木:東京新聞 TOKYO Web 2024-11-07 [Edit / 編集]

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