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来年の干支「巳」の備前焼を窯出し 30年越しの「白黒合体」再挑戦

 備前焼の技法の「白備前」を手がける、岡山県備前市の木村玉舟(ぎょくしゅう)さん(71)の窯で13日、来年の干支(えと)「巳(み)」をモチーフにした作品の窯出しがあった。
 白備前は、江戸時代に考案された備前焼の技法の一つで、鉄分の少ない土を用いて乳白色に焼き上げる。木村さんは毎年、白備前で翌年の干支を作っており、今年で30年目を迎えた。
 今年は、縁起が良いとされる「白ヘビ」を作った。「薪の量を例年より増やしたら、白の焼き上がりが良くなった」という。
 木村さん自身も巳年生まれで、来年は年男。今回は、かつて失敗したという「白黒合体」という表現に再挑戦した。
「白黒合体」に編み出した秘策 木村さんによると、通常の黒い備前焼に用いる土は鉄分が多く、焼くと20%ほど縮む。白備前の土は鉄の含有量が少なく収縮率は10%程度という。
 木村さんは約30年前に白い土で作った部分と黒い土で作った部分を合わせた作品を10点焼いてみたが、収縮率の違いで8点が割れてしまったという。
 今回は、赤磐市の熊山から、収縮率が15%程度の粘土を採取してきて、白と黒の接合部分に使ってみた。その結果、黒い俵や小づちの上に白ヘビを配した作品などがほとんど割れずに焼き上がった。「30年越しの成功です」と木村さんは喜ぶ。
 木村さんの作品は、27日から12月2日まで同県倉敷市の天満屋倉敷店で展示される。漆で彩色した鳥をモチーフにした作品なども展示される予定だ。(大野宏)

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岡山:朝日新聞デジタル 2024-11-26 [Edit / 編集]

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