叙情豊かな銅版画と詩、響きあう 南桂子の世界展、高志の国文学館で
叙情をたたえた銅版画で知られる南桂子(1911~2004)の企画展が、高志の国文学館(富山市)で開かれている。少女や鳥をモチーフにした版画、童話や詩に加え、南の作品に触発された詩人らの言葉など、130点以上の資料を紹介している。
南は現在の富山県高岡市出身。高等女学校の頃から絵画や詩をたしなみ、一時は壺井栄に師事して童話作家を志した。42歳で渡仏後、銅版画を学び、国際的に活躍した。
展示では、富山での少女時代を思わせる童話の原稿を初公開し、短歌や詩など文芸面の足跡をたどる。銅版画や素描は25点。ユニセフのカード、カレンダーに採用されて世界的評価を高めた「平和の木」「子供と花束と犬」などが並ぶ。
詩人らの作品は、11月に死去した谷川俊太郎が南に捧げた3編の詩をはじめ、水沢なお、最果タヒが今展のために書き下ろした詩やエッセーだ。同館の担当者、亀島麻衣子さんは「版画と詩が互いの魅力を高めており、響きあうという言葉がぴったり。足を止めてじっくり味わって」と話す。
「詩と出会う旅 南桂子の世界展」と題し、来年2月11日まで。最終日以外の火曜と年末年始は休館。問い合わせは同館(076・431・5492)。
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富山:朝日新聞デジタル 2024-12-22 [
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