第8回ハレの日のおもてなし、昔も今も 問屋街で発展した岡山のばらずし
岡山市北区の西川緑道公園に立つ「平和像」。ハトを頭上に掲げた女性の像の視界の先には、一軒の小さなすし店があった。「㐂楽(きらく)」。年季の入った木造の店構えは、平和町と名付けられた地区の一角でひときわ存在感を放つ。
L字形のカウンターに9席。壁にかかっていたメニューのおすすめ「岡山寿司 ばらずし」が目にとまる。「どこから来たの、東京?」。店の2代目、栢菅(かやすが)主税(ちから)さん(75)は一見客に気さくだ。「グーグルで知った」「古い店で興味があった」といった来客が多いという。
甘みのある酢飯の上に、ママカリやサワラ、モガイ、エビ……。瀬戸内の魚介が美しく飾られる。ニンジンやレンコン、シイタケ、カンピョウなどの野菜を合わせ酢で味をつけ、彩りを添える。
カウンター越しに職人の手さばきがよく見える。「どんな食材でどんな風に作っているのか。見てもらうのも楽しみの一つ」。秘伝のレシピは流出しないのか。「元々は家庭料理だよ。簡単に作れる」と笑い飛ばす。
ばらずしは鎌倉時代や江戸時…
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岡山:朝日新聞デジタル 2025-01-04 [
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